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天童荒太『永遠の仔』
★★★★☆



文庫全5冊の大作。

ずっと前から夫の本棚にあったのだけど、5冊って結構体力いるなあと思い、

二の足を踏んでいた本。

しかしながら、文体が予想以上に読みやすく、あっという間に読み終えた。



親から虐待を受けて育った人たちの物語。



・・・軽々しすぎるまとめだけれど、

軽々しくまとめないと、客観的に感想が書けなくなりそうなので。

つらくなりすぎるので。



目を背けずに、しっかり目を開けて読もうと、必死に読んだ。

泣いたら、登場人物たちに失礼だと思うから。

しかし、その決意が保たれたのは3巻まで。

4巻の終わりに差し掛かった時は、もうダメでしたね。

嗚咽が出るほどだった。

隣りで寝ている夫が起きたらまずいなと思うほど、

感情を抑えることはできなかった。

半ば呼吸困難になりながら読んだのは、『東京タワー』(ズルい本だと思う)以来か。

涙が出る小説=イイ小説、だとは思わないので、傑作とは言わない。

しかし、バスタオルが必要なくらい泣いた。



ここから先はネタバレになるので、今後この本を読む予定のある方は見ないでほしいのだけど、

★★★★★にできない理由としては、

ちょっと、登場人物が「死に過ぎ」だからだ。

3巻あたりから、次々と人が死んでいく。

殺人しかり、自殺しかり。

うわー、この展開かー、ちょっとつまんないなー、と思ってしまったのが実際だ。

小説の結論として、「どんな人でも生きていてよいんだよ」と明言するのにあたり、

人々が次々に死んでいなくなる構成っていうのはどうなんだろう???

小説のジャンルが「サスペンス」だから仕方ないのか、、、そういうものなのか、、、。

でも、せっかくのリアリティ、せっかくの社会問題の表出なのに、

登場人物を次々と亡くならせてしまうことで、どんどん薄っぺらくなった気がする。



うーん、だから私は、推理小説やサスペンスものが苦手なのか。

宮部みゆきとかが、面白いと思えない。



苦しい病気、虐待、いじめ、境遇、トラウマ、失敗、罪悪感、、、

それら狂気の行き着くカタチを、「死」にしてほしくない。

「死」を最終手段としないでほしいのだ。

「死」をテッペンとしないでほしいのだ。



死んじまっちゃぁ、殺しちまっちゃぁ、おしめぇよ、と思うのだ。

少なくとも小説の世界では。



私は自殺反対論者ではない。

もちろん、賛成でもないけど。

このつらい世界で、「自殺」という選択肢さえ奪われて生きるのはあまりに残酷だ。

自殺する自由は誰にも等しく与えられていると思っている。

(過去に自殺してしまった方への尊厳という意味でも)




でも、だからこそ、

せめて小説の世界でくらい、

狂気を抱えた状況下で、死を選択せずして、

どう時をやり過ごしていくのかを観せて欲しいのだ。



・・・でも難しいんだろうな。

死があったほうが美しくまとまるのかもしれないし、

読者が納得するカタチとなりやすいのかもしれない。



うーーん、、、やっぱり、それって、逃げのような気がする。



でも、面白かったですよ、『永遠の仔』。

テーマ:読書感想文 - ジャンル:小説・文学